2020年2月22日土曜日

コラム:不動産投資家は、マイホームを買ってもいい?注意すべきポイントは?

とても頻繁に相談を受ける質問です。不動産投資家、とくに拡大志向の不動産投資家にとって、マイホームを買うことは良いのか、悪いのか。また、買っても良いとした場合に注意すべきポイントについて説明致します。

不動産投資家はマイホームを買ってもいい?
◆不動産投資家はマイホームを買っても良いのか
 頻繁に質問を受けると同時に、不動産投資家仲間の間でも話題に上がることがあるテーマです。不動産投資経験が豊富な人同士でも意見が分かれます。

 私の意見ですが、
 ・投資目線で買う/買えるならばマイホームを買っても問題はない。
 ・投資目線で買わない/買えないならばマイホームを買ってはいけない。
 です。

 具体的に投資目線を持ち込むと、以下のマイホームは買いにくくなります。
 ・買った金額よりも、大幅に価格が下がるものは買ってはいけない。
 ・相場よりも高い金額で購入(高掴み)をしてはいけない。
 ・賃貸に出した場合、ローン返済や固都税や経費を含めて逆ザヤになるものは買ってはいけない。
 ・(今後)融資を受けて買い増す場合には、金融機関からの評価が低いものは買えない。
 ということを指します。

 上記のポイントから、自ずと見えてきている結論があるかと思います。マイホームは生活の拠点たるべき位置(勤務地や学校などに近い,親族に近いなど)に購入をすることになると思います。そのため、生活の拠点となる場所が過疎化が進んでいるエリアであった場合などは、投資目線で買うことは難しく、マイホームを買うことは出来ません。
 もし、老後まで生活する場所として、今の生活拠点から離れないと決まっている場合には、大きすぎる物件や新しすぎる物件などを控えれば失敗は避けられる可能性が高いです。但し、そのような物件は賃貸でも安く借りられるため、賃貸も検討をしてみて下さい。

 逆に都心やベッドタウンの駅近などで、売るも良し、貸すも良し、の物件であれば、購入することには問題が無いように考えます。

 たまに「マイホームを持っていると金融機関がマイナスで評価するために、不動産投資で融資を受ける際に足かせになる」という記事を拝見することがあります。一部金融機関では事実です。「1億円まで融資枠が確保できそうですが、マイホームの借り入れ金額を減額した分が、今回融資出来る金額です」という融資承諾が出ることもあります。しかし、多くの金融機関においては不動産投資用ローンについてはマイホームの残債を分けて考える事が多いため、悪影響は限定的です。

 マイホームを買うことは、月額の居住負担も軽く、残債も減り続けるというメリットがありますので、このメリットを最大限に活かし、早々に「市場価格>残債」の状態を作り、預貯金をためることも作戦の一つとして考えても良いかも知れません。また上述のルールを守った物件を買えていれば、どうしても不動産投資の大きな足かせになる場合には売却をしても良いものと考えます。

◆不動産投資家がマイホームを買う時の注意点
 投資目線で買う/買える場合には、マイホームを買う事を検討しても問題ないと考えます。その時に持つべき投資目線と、購入時に注意すべき点をまとめました。

 ・買った金額よりも、大幅に価格が下がるものは買ってはいけない。
  ⇒買った金額よりも下がる物件でも問題はありません。物件価格が下がるスピードが、残債が減るスピードよりも遅ければ大丈夫です。具体的には、郊外や地方の新築は大幅に価格が下がる可能性が高いケースが多いです。また、自分だけのこだわりを入れすぎると価格の下落が大きくなる場合があります。
 ・相場よりも高い金額で購入(高掴み)をしてはいけない。

  ⇒ここはどのような物件を買う場合でも出てくる話です。周辺相場や過去の売買履歴などを把握の上、判断をして下さい。

 ・賃貸に出した場合、ローン返済や固都税や経費を含めて逆ザヤになるものは買ってはいけない。
  ⇒前提として住宅ローンで購入した物件を貸し出すことは出来ません。あくまでも、購入の判断基準という意味で記載をしています。賃貸に出した場合の想定賃料を把握し、また、諸費用についても計算した上で利益が出るような物件であれば、購入しても良いと思います。 その場合、ローン返済は不動産投資用ローンに切り替えて1.6-2.0%程度になる前提での試算が出来ると良いと思います。

 ・(今後)融資を受けて買い増す場合には、金融機関からの評価が低いものは買えない。
 ⇒上記の3つの条件を満たすためには都心の一戸建てかマンションがマイホームとして購入可能な物件となるかと思います。となると、この条件は満たしにくいかと思います。しかし、都心の物件においては金融機関も積算を厳しく追及してこないことが最近では増えてきており、この部分は出来るだけ気をつける。というスタンスで良いかと思います。

※本記事は、2020年2月時点での記事です。 本ブログでは、環境変化に対応するため全記事を定期的に更新しています。

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