2020年2月19日水曜日

手法解説 新築一棟投資(3)企画一棟購入のポイント

新築一棟投資は中古一棟同様に、購入時のポイントがたくさんあり、同時にそれぞれの重要度も高いです。まず、新築一棟投資には、大きく分けて2つの買い方があります。

①土地と建物をそれぞれ別の会社から購入するケース
 (ここでは便宜的に企画一棟と呼びます)

②土地と建物をそれぞれ同じ会社から購入するケース
 (ここでは便宜的に建売一棟と呼びます)

※後者のケースにおいては、土地を先に買って建物を作るパターンと、既に完成している一棟物件を買うパターンがあります。

一概には言えませんが、一般的には前者の企画一棟の方が、手間がかかり、賃貸経営開始までのタイムラグも長いものの、その分、利回りは高くなる傾向にあります。その差は、一都三県の木造で0.7~1.4%ほど、一都三県の鉄骨でも0.5~1.1%程度あり、小さくない差が生まれます。
また、土地と建物を同じ会社から購入するため、責任の所在が明確である点などは、建売一棟のメリットと言えます。

本記事では、企画一棟、の購入(建築)のポイントを説明致します。
土地から企画する一棟物件は高い利回りを狙えます


【土地購入のポイント】
・立地の見極め
 新築一棟投資については、ワンルーム・区分マンションの投資と異なり、最寄り駅が知らない駅であったり、足を踏み入れたことのない都道府県の物件の案内が来ることも少なくありません。
 ある程度の収益を確保するためには、購入する物件のエリアを「名前や印象」ではなく、「実力」で見極める必要があります。立地の実力には、人口動態、最寄り駅の乗降客数、近隣の人が集まる工場や学校や病院などの施設の有無の見極め。また、今の現状だけではなく、将来に渡っての需要を見極める必要があります。

 特に新築一棟投資に言えることですが、一都三県エリアでも新しい駅が出来たタイミングなどは、同エリア・同タイミングで似たような新築アパート・マンションが作られることがあります。間取りや築年数などの条件が重なる物件が多いと賃料相場が下落する場合もありますので、要注意です。※もちろん、アパートラッシュに耐えうる賃貸需要のあるエリアもあります。 

・高掴みしないようにすること
 ワンルーム物件などと異なり、同一建物内の別部屋などの売買履歴がありません。そのため、近隣の売買事例や賃貸事例の中でも条件が近い物件の相場の把握と、伴い、高掴みをしないように注意することが不可欠です。
 周辺事例と比べて、接道、土地の形、土地の間口の広さ、土地の用途地域、騒音などを含む周辺環境、坂などの地理的な条件などを比較しながら、検討物件の相場観を見極めて下さい。
 この「高掴みをしない」という点については、建売一棟よりも、企画一棟の方が個別に把握が出来る分、有利かもしれません。 

・ハザードマップほか、自然災害の可能性の把握
 この点は、ハザードマップなどを見ておければ十分かと思われます。また、火災保険に入る際に、起こり得るリスクはつぶしておけると良いでしょう。

【建設会社選びのポイント

・賃貸向けの建築になれているかどうか
 過去の事例などを含めて聞いた方が良いと思います。しかし、賃貸向け住宅は個人向けの一軒家よりもこだわりが少ない分、作りやすいものではありますので、ある程度の規模の建築会社であれば、問題は無いと思います。

・(必要に応じて)金融機関とのコネクションなどが強い会社かどうか
 融資については建築会社に頼るのが必ずしも正しいわけではありませんが、頼れるものは頼った方が良いでしょう。特に一定の規模の建築会社であれば、ツーカーの仲の金融機関などを持っていたりします。

【建物建築のポイント】 

・土地の可能性を最大限に引き出しているかどうか
 建蔽率・容積率・斜線制限や高さ制限などのあらゆる制限の限界いっぱいまで建物を土地に入れているかを確認しましょう。ここはセカンドオピニオンサービスを使うことも検討してみて下さい。

・想定レントロールの精査
 レントロールを貰って、それで安心をしていてはいけません。建築会社によって、かなり強気なレントロールを作る会社と、その逆の会社が存在しますのでご自身で不動産賃貸サイトを調べたり、REINSを調べたりしながら、見極めることが重要です。

次回は、建売一棟購入のポイントをまとめます。

※本記事は、2020年2月時点での記事です。 本ブログでは、環境変化に対応するため全記事を定期的に更新しています。

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