2020年2月13日木曜日

手法解説 中古一棟投資(2)メリット・デメリット

前回の中古一棟投資の手法概要に続いて、中古一棟投資のメリットとデメリットを解説いたします。

◆メリット

・高い収益性
 都内などの立地でも利回り8%を超える物件が存在します。また、区分(ワンルームなど)の物件と異なり、規模が大きいため、1億の物件で利回り8%が確保できれば800万円の収入が確保できます。

・収益の安定性が増す
 不動産投資に入退去はつきものですが、1部屋所有するよりは、10部屋所有していた方が入居率は安定するため、収益の安定性が増します。※一棟物件でも、同一法人一括貸しなどは一斉同時退去の可能性もゼロではありません。
・金融機関からの評価も高い
 今後も買い増しを考えている方にとっては重要なメリットの一つです。金融機関は積算評価、収益還元評価など様々な評価方法をしますが、中古一棟物件は積算評価が比較的高く、所有をしていることによって金融機関からマイナスに評価されることがない(少なくとも他の手法に比べると)という大きなメリットがあります。

・コントロールできる範囲の大きさ
 修繕のタイミングや、管理会社等のパートナーの見直し含めて、コントロールできる範囲の大きさはメリットです。言い換えればコントロール「しなければならない」範囲が大きくなっていますので、この点は万人にとってのメリットではないかも知れません。

◆デメリット

・都心部での取り組みは難しい
 新築・中古ワンルーム投資などは、都心三区(港区,千代田区,中央区)などの物件も普通に存在しますが、中古一棟投資においては東京の中心地などで取り組みをすることは難しいです。土地が高すぎて利回りがほとんど出ないため、です。

・初期費用は数百万~のケースが多い
 一部の融資アレンジに強い会社とのお付き合いであれば、初期費用が数十万円で済むことはあり得ます。しかしながら、ほとんどのケースにおいては1億円の物件を買う場合は、最低でも2~300万円程度、金融機関の融資姿勢次第では2~3割である2000~3000万円が最初に必要になるケースがあります。

・空室時の持ち出しに耐えうる資金力は必要
 そこまで心配は要らないものの、万が一、同時に複数の部屋で退去があった場合など、一時的には必ず持ち出しが発生します。1億円を30年1.7%で借りると、約36万円が毎月の返済になりますが、最悪のケースを想定してこの金額の持ち出しに耐えうる月収や貯蓄がない場合には取り組むべきではない手法と言えます。

・修繕等は全て自己責任
 メリットの「コントロールできる範囲が大きい」の逆に解釈です。修繕を行う会社をアサインしたり、管理会社を選択したり、修繕に備えて一定の貯蓄を準備することなど、全て自己責任です。これらの手間を

・予期せぬ修繕が来る可能性がある
 中古一棟物件の場合は、購入後、どこに問題が発生するかは分かりません。そのため、運が悪いと、物件購入直後に数百万円の修繕費用がかかることもあり得ます。中古一棟物件を購入する場合にはこのあたりは念頭においておくべきでしょう。また、外的要因があれば保険の活用が可能です。

大規模修繕の様子 足場を組むだけで大きな費用がかかります
中古一棟投資については、購入時のポイントがたくさんありますので、本記事とは分けて次回、解説致します。

※本記事は、2020年2月時点での記事です。 本ブログでは、環境変化に対応するため全記事を定期的に更新しています。

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