2020年2月29日土曜日

物件購入プロセス②:物件情報サイトで物件選び

 不動産投資の戦略が固まったタイミングや、固まりそうなタイミングになったら、具体的な物件購入プロセスに入ることになります。最初のプロセスである物件選びについて、選び方や、注意点などを説明致します。

物件選びは、
セミナーに参加して物件情報を貰う
・物件情報サイトで物件選び
と大きく2つのやり方があると思います。

今回は物件情報サイトでの物件選びについて説明致します。

 物件選びは個人的にはとても楽しいプロセスです。このプロセスを経る過程では、「物件を探すこと」以外にも、「相場観を養うこと」「情報の中で疑うべき部分があることを知ること」なども意識する必要があります。

 物件選びをしている中で、自分の戦略がブレそうになることがありますが、そのブレが正しいブレかどうかについてもご自身と対話をしながら、物件選びのプロセスを楽しんで下さればと思います。

物件購入プロセス:物件情報サイトで物件選び
 
 ご自身が狙う物件を物件情報サイトで抽出します。エリアや、築年数、平米数、駅からの距離などで検索を行います。多く使われているサイトは以下の通りです。それぞれのサイトの強い領域とそうではない領域などがありますので、うまく使い分けて下さい。

 検索時には、希望の条件の物件よりもわずかに幅広に検索することをお勧めしています。多くの物件を見ることでご自身の相場観が養われていくことと思います。 築年数などは10年以内を狙いたい場合には15年以内などで検索したり、平米数なども前後5㎡程度は広げて検索をすると良いのでは、と思います。また、駅からの距離や構造など、どうしても妥協をしたくない/できない項目は厳密に検索をかけても良いかもしれません。

 希望の条件を入れて検索をすると、相場から外れている掘り出し物に見える物件が見つかることがあると思います。本当に掘り出し物であるケースもごくまれにありますが、相場から外れている物件はそれなりの理由があることが殆どです。

相場より安い物件の特徴は以下の通りです。
 ・所有権ではない(借地権など)
 ・再建築不可である
 ・用途地域が不動産投資には使えない(資材置き場など)
 ・道路付けが良くない(狭いなど)
 ・違法建築である ・告知事項がある
 ・埋設物が存在する(特に土地の場合)
 ・隣地境界線が確定していない
 ・形が良くない(特に土地の場合)
 ・がけ地など、そのままでは建物を建てられない(特に土地の場合)
 ・急坂などがある
 ・管理費や修繕積立金などが異常に高い(特に区分の場合)
  など

※上記の特徴がある物件であっても、致命的問題があるわけではありません。しかし、購入する目的や、購入方法次第では購入が出来なかったり、控えるべきケースがありますのでご注意下さい。

物件情報サイトの代表例 ※サイト名をクリックするとリンクできます。

物件情報サイト 投資用区分物件 投資用一棟物件 自己居住用物件
楽待
23,000

24,000
×
健美家
16,000

20,000
×
SUUMO × ×
250,000
at home
23,000
区分+一棟

23,000
区分+一棟

350,000
HOME'S
16,000

6,000

330,000

 物件選びですが、どのような物件がいつ市場に出てくるかは分かりませんので、検索条件を保存して定期的に情報を得られるようにしておくことをお勧め致します。

 また、数百件も検討していると相場がわかってくると思いますので、ある程度自身がついてきたら、即アクションをとれる準備をしておけると良いと思います。

楽待は検索項目も多く使いやすいです

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※本記事は、2020年3月時点での記事です。 本ブログでは、環境変化に対応するため全記事を定期的に更新しています。

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物件購入プロセス①:セミナーに参加して物件情報を貰う

 居住用の物件選びと異なり、不動産投資用の物件については、セミナーに参加をして物件情報を貰う事の方が多いかもしれません。今回はセミナーへの参加方法と、セミナー参加後に物件情報を貰う場合の注意点などを説明致します。

 物件情報サイトで物件選びを行うやり方やその時の注意事項は物件購入プロセス②:物件情報サイトで物件選びにて説明をしています。

物件購入プロセス①:セミナーに参加して物件情報を貰う

 セミナーに参加する方法はさまざまですが、最も多いパターンは楽待や健美家などの不動産投資情報ポータルサイトのセミナー情報ページからのセミナー申込です。他に、「不動産投資 セミナー」などで検索しても出てくるかと思います。

・楽待の不動産投資セミナー情報ページ(リンクはここをクリック
  
楽待のセミナー情報ページ


・健美家の不動産セミナー情報ページ(リンクはここをクリック

健美家のセミナー情報ページ
これらのサイトのセミナー情報ページから、自分が行きたいセミナーを選んで行ってみて下さい。ほとんどが無料ですので、積極的に申し込みをすると良いと思います。

 私はものすごい数(もちろん3桁以上です)のセミナーに参加をしてきていますが、セミナーに申し込む時と、参加した際のポイントや心構えについて説明致します。

セミナー申込時のポイント 

・出来るだけ多くのセミナーに参加をする

 最低でも5回、可能であれば20回くらい、異なるセミナーに参加すると、不動産投資セミナーというものがどういうものなのか分かってくると思いますので、我慢して5回はセミナーに参加をしてみて下さい。

・(戦略や手法が固まっていても)自分の戦略と異なるセミナーにも参加する

 セミナーは無料のものが多いのですが、ビジネスなので当然ですが、セミナー主催業者のビジネスへ誘導することを目的に開催されています。そのため、ほとんどのセミナーは多少偏りのある内容が多くなっています。そのため、仮にご自身が「都心・新築一棟」と戦略を固めていたとしても、敢えて「都心・中古一棟」や「地方・戸建て投資」などのセミナーにも参加できると良いと思います。

 また、もし興味が無くても、民泊や時間貸しやコインパーキング投資、太陽光投資、コインランドリー投資などの情報も得ておけると良いと思います。

・セミナー申込時に、諸状況は先に伝えましょう

 現在の資金計画や、自分がどのような目的・目標をもって不動産投資に取り組んでいるのか、など、セミナー申込時に先んじて伝えた方が、その後のやりとりの質を高くすることが出来るかと思います。

セミナー参加当日&参加後のポイント

・とにかくまずはきちんと聞く,素直に聞く

 遅刻や居眠りをする方はいないと思うのですが、セミナーに参加すると遅刻して入ってくる方が相当数いましたが、このセミナーをきっかけに大きな金額の取引を行う可能性があるかもしれない出会いですので印象は良くしておけると良いと思います。

 また、斜に構えて参加する方も多いように見えました。もちろん、不明点は徹底的に質問して解消をした方が良いと思うのですが、上から目線で的外れな質問を繰り返す方も見たことがあり、注意したいな、と自分も思いました。

 無料セミナーは、主催業者のビジネス獲得を目的に開催されているのは当然のことですので、多少、情報や考え方に偏りがあるのは当然と捉えて聞いた方が良いと思います。セミナーを聞きながら、主催業者はどのように自社のビジネスに誘導をしようとしているのか、逆算しながら聞いてみるのも良いと思います。

・良し悪しは判断しましょう

 素直に聞きつつも、最後に高額の年会費の話が出てきたり(必ずしもそれが悪いものとは限りませんが)、 手法としてあまりにも危なかったり、当日に決断を迫ってくるようなセミナーは、概して望ましくないものが多いように感じています。少し違和感を感じた際にはキッパリと断ることも重要です。

・名刺交換はきちんとしましょう

 よほど、良くないセミナーだと思った場合などを除けば、名刺交換はきちんとすべきだと思います。相手に名前を覚えて貰い、こちらも相手の名前はきちんと覚えるようにしてください。また、

・(必要があれば)次につながるようなアクションを取りましょう

 納得できるセミナーであったり、話を進めたいと思った場合はセミナー終了直後にメールを送れると良いと思います。また、セミナー時、もしくはセミナー後に具体物件の紹介を受けたら、まずは紹介された物件に対してストレートにご自身の意見を伝えてあげて下さい。「まだ、やるかどうかも決まっていない」「他も見てからにしたい」でも、構いませんので、最低限は返事を、また、断ることは一切問題ありませんが、断る理由なども明確に伝えた方が相手のためにも、ご自身のためにも良いと思います。

・(必要があれば)ご自身の情報はきちんと開示しましょう

 不動産投資の世界に慣れていないと、いきなり「年収」「借入金」「家族構成」「勤続年数」「勤務先」などの質問が来ると、 面食らってしまうかもしれませんが、不動産投資の世界では上記の情報は名札に書いて主催業者に見せるレベルの基礎的な情報です。主催業者も最低限、上記のような情報がなければ物件紹介・提案の精度が低くなってしまいます。

 また、希望物件、最低限の条件などもこちらから先んじて相手に伝えられると良いと思います。その際、「田舎」「郊外」などの曖昧な表現ではなく、具体的に「〇〇県」「〇〇区・〇〇区」「駅徒歩〇分」という表現をした方が良いと思います。

・参加の記録や感想をメモしておきましょう
 セミナーで説明を受けた資料や、紹介を受けた物件などはきちんと保管し、また、セミナーの感想はご自身の中でメモを残したりしておけると良いと思います。

企業勤めで家族持ちの方などにとって、土日のセミナーに数時間参加することは大変だと思いますが、将来的に家族を支える不動産投資のためのセミナーですので、積極的にセミナーに参加し、知識・理論武装を強化していってください。

セミナーではなく、物件情報サイトでも物件を選ぶことは出来ます。物件情報サイトでの物件選びの注意点を以下にまとめてみました。

物件購入プロセス②:物件情報サイトで物件選び

※本記事は、2020年2月時点での記事です。 本ブログでは、環境変化に対応するため全記事を定期的に更新しています。

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2020年2月28日金曜日

書評:【実録不動産投資】普通の会社員だった私が、家賃収入4000万円のアパートオーナーになって脱サラするまで

書評、二冊目の書評をお送りいたします。まだ、二冊目でもあり、今回も暫定評価です。

①基本情報
 タイトル:実録不動産投資】普通の会社員だった私が、家賃収入4000万円のアパートオーナーになって脱サラするまで
 出版社:ゴマブックス株式会社
 発行日:2018年5月
 価格:715円
著者:木村 拓也

②著者の立場
 41歳のサラリーマンをやっていた当時から不動産投資を始めて、10年程度の短期間で大規模な大家さんとなった方です。現在は不動産投資と同時に、不動産投資を教える立場として、代表者としてコミュニティ運営をしておられます。本著の後半にも「レバリッチスタイル」という言葉が出てきています。このコミュニティは高くない会費で毎月、丁寧にセミナーを行うスタイルで、初心者にはお薦めなコミュニティです。

実録不動産投資 長いタイトルです

③書評
 前回に続き、本著も「全般」本です。やはり、不動産投資本の世界は「全般」本が多いです。(私のブログも「全般」ブログです。)タイトルにも”実録”とありますが、前半は著者の不動産投資家としての道筋が写真とともに紹介されています。その後に目次がはじまり、著者の理想とする買い増しステップに従って各手法の説明がなされていきます。
 推奨しているステップですが、ご本人の経験をトレースするように、物件価格2000万円までの中古ワンルームマンション購入⇒数千万中規模一棟購入⇒1億以上一棟購入、というステップです。既にこのステップはセオリーに近いものかもしれませんが、一冊目の書籍「ゼロから始める不動産投資」に極めて近いステップ論でした。

 このステップに織り交ぜながら、成功ルールを10個に絞って説明をしています。
1.自己資金は全て使わなくていい
2.それぞれの物件のメリット・デメリットを良く知る
3.良い物件を購入するためには、エリアに詳しい販売管理会社を選ぶこと
4.投資効率が良い1棟買いで試算を増やす
5.1棟買いは物件の立地選択に最大限の力を注ぐ
6.金融機関との交渉術を学べ
7.キャッシュフローをきちんと考えよ
8.出口戦略を考え、資産を増やす
9.さまざまなトラブルマネジメントを考慮しておく
10.不動産投資ならではの節税やお金の流れを知る
 という10個のルールについて手短に分かりやすく説明がなされていきます。2.のルールでも、地方と都心、新築と中古など、良く出てくる軸でメリットとデメリットを説明しており、(良い意味で)言い切りになっていないところに好感が持てました。この2.の部分は本ブログに詳しい記事があります。
それ以外のルールも目新しいものはありませんが、一般的なセオリー、かつ多くの人にあてはまる内容が書かれており、この本を読んでおけば大きく道を外すことは無いように思います。

良著だと思うものの、ご本人がコミュニティ運営をしているという事情もあり、具体的な情報(固有名詞や数字)は、そこまで詳細には出てきません。出版自体はコミュニティ代表者としての箔をつける目的と、コミュニティの権威付けの意味合いがある書籍のようには見えました。各手法に「キムラ式」という名前をつけておられますが、この名前をつけるような独特な手法や目線の話は出てきません。

④評価(5段階)
 専門性 ★★★☆☆
  専門家ではありませんが、知識や経験含めて内容に間違いはありません。
 正確性 ★★★★☆  不正確と思われる情報は皆無です。
 再現性 ★★☆☆☆  時代が違う事もあり、最初の中古ワンルームくらいまでは2020年の今でも再現性が高いと思われますが、一棟RCを連続で買うことなどは2020年の今ではハードルが高いように思います。
  中立性 ★★★☆☆
  中立性は低くないものの、やはり書籍を出している背景は見え隠れしています。情報は、一般向けかつ間違っていませんので、その点では安心して読んでください。
 ズバリ!おすすめ度 ★★★☆☆

まだ1冊目ですので、暫定評価、です。


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2020年2月27日木曜日

不動産投資の取扱説明書、公式Twitterアカウント開設しました!

本ブログの公式ラインアカウントに続き、公式Twitterアカウントを開設しました!今後、Twitterにおいても、本ブログの更新通知をお送り致しますので、是非アカウントフォローをお願い致します。

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2020年2月26日水曜日

書評:ゼロから始める不動産投資(角川学芸出版単行本)

先日、AmazonのKindle Unlimitedの紹介を致しましたが、さっそく数冊読んでみましたので、書評をスタート致します。Kindle Unlimitedに入っている「不動産」「不動産投資」のキーワードで出てくる本については全て読んでみますので、数回の書評を経て、これだけ読んでおけば大丈夫、という5冊を厳選していきたいと思っています。

また、不動産投資本は私も過去何冊も読んだり書いたりしていますが、内容が似たり寄ったりとなるケースが多いので、もし、読まれる方は最初の数冊はじっくり読んだとしてもその後の本はかなりのスピードで読み飛ばしつつ、新しい知識だけを取り込むことが出来ると良いのかな、と思います。

クリックで拡大できますが、拡大してみるほどの図ではありません

そして、一冊目の書評をお送りいたします。過去、大量に不動産投資本は読んできていますが、一冊目でもありますので本書評は、暫定評価です。

①基本情報
 タイトル:ゼロから始める不動産投資(角川学芸出版単行本)
 出版社:角川学芸出版
 発行日:2015年8月
 価格:1,650円
 ページ数:271
 著者:市川 周治

②著者の立場
 ウェーブハウスと言う岡山の不動産会社を経験されており、1987年に宅建資格取得、1988年から不動産の世界に身をおかれています。不動産会社の方ですが、場所が岡山ということもあり、自社に利益誘導することは無く、偏りのない内容となっています。
 不動産業界経験も長く、書籍後半にリノベーションの話なども出てきますが、不動産投資業界のトレンドに乗っているように思われます。また、書籍のところどころから、地元岡山への愛がひしひしと伝わってきます。

ゼロから始める不動産投資(角川学芸出版単行本)

③書評
 不動産投資本に最も多い「全般」本です。タイトルの「ゼロから始める」にもある通り、ターゲットは不動産投資の初心者です。また、文章も読みやすい上に、途中でマンガなども出てきますので、スムースに読み進めることが出来ると思います。中級者以上の方が読むと少し物足りないと思われます。
  不動産投資を行うメリットの説明に始まり、各手法をステップ論で説いています。また、知識を章立てすると同時にリスクヘッジ手法を説明しており、まさに不動産投資の「全般」を知ることが出来ます。全体は以下の内容で構成されています。

 第1章 自分の家を買う前に人の家を買うべき3つの理由
第2章 堅実に資産を増やす!不動産投資の王道4ステップ
 第3章 知っておくべき!投資の回収を早める5つの知識
 第4章 損をしないためのリスクを回避する9つの戦略
 第5章 お宝物件を手に入れる7つの秘策
 第6章 「廃墟物件」を「優良物件」に変える3つの技術
 第7章 レバレッジを利かせる3つの融資攻略法

 第2章では、不動産投資の王道4ステップとして、「不動産投資は中古が儲かることを理解する」⇒「区分を買う」⇒「2000万円規模のアパートを買う」⇒「鉄筋コンクリートのマンションを買う」というステップを紹介していますが、ここも読者の年齢によっては、回りくどいステップにも思えました。全員に当てはまる王道は無いと思いますので、それなりに多くの人に適用出来るステップと捉えて読むと良いと思います。また、この第2章の中で明確に、中古>新築、としていますが、ここも少し違和感がありました。建物のスクラップ&ビルドサイクルの早い都心部では、必ずしもこの考え方でなくても良いように思います。

 第5章の「お宝物件を手に入れる7つの秘策」は、秘策的な内容ではなく、地に足のついたまっとうな内容です。この中で、地方の物件がオイシイ、また、東京に投資するのは現実味が薄いと書いておられる部分があります。将来不安も考えると東京への投資が最も(利回りは低くても)無難なのはそれほど間違いが無さそうですし、どのエリアにどのような物件を買うべきか、は戦略次第で変わってくる話なので、冷静に読んでみて下さい。

 第6章は、本書の中で唯一個別に取り上げた具体施策の章です。リノベーションの概念を大まかに捉えることには役立つ内容のように感じました。この第6章だけは、もっと詳細に具体的な情報(数字や固有名詞)が入っていると良かったように思いました。

 第7章は融資に関する部分で、参考にはなりますが、再現性はあまりないように思われます。2015年の環境での記載であることを認識した上で読んでください。

④評価(5段階)
 専門性 ★★★★☆
  経験値も豊富であり、申し分ないレベルです。
 正確性 ★★★☆☆
  都心部のリアルについては少し情報が不足している印象はありました。
 再現性 ★★★☆☆
  大部分の再現性は高いのですが、2015年の著作という事で、利回りや融資に関しての再現性は高くは無さそうです。
 中立性 ★★★★☆
  途中、岡山や地方を薦めている箇所が出てきますが、自社の利益誘導ではありません。中立性は担保されています。安心して読める書籍だと思います。
 ズバリ!おすすめ度 ★★★☆☆

まだ1冊目ですので、暫定評価、です。

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2020年2月24日月曜日

不動産賃貸収入の確定申告のキホン ~2020年(令和2年)版~

不動産賃貸収入の確定申告方法について、やり方とコツとめてみました。不動産「賃貸収入」の確定申告にフォーカスし、説明致します。

国税庁のページの中にも、「不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」というページがあります。そこまで固い文章で書かれているものではありませんので、念のため一読いただけると良いと思います。

◆どのような場合に不動産賃貸収入の確定申告が必要になるか?

 不動産賃貸収入に限らない話ですが、確定申告が必要になる条件に「各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える」というものがあります。そのため、給与所得や退職所得とは別に不動産賃貸収入やその他の所得が年間20万円を超えたら(20万1円以上)、確定申告が必要です。

 確定申告は個人(個人事業主を含む)の納税に関する制度であり、賃貸収入が個人に対して発生している場合には確定申告が必要ですが、賃貸収入が法人(資産管理法人など)に対して発生している場合には確定申告で言われるその他の所得の20万円に合算する必要は必要ありません。

※さらに詳しい確定申告が必要な条件については国税庁による「確定申告が必要な方」をご覧ください。

◆不動産賃貸収入の確定申告をすると、得をするのか?

 納税行為ですので、損・得、という言葉遣いには語弊があります。納税も、確定申告も国民の義務ですので、特に選択や検討の余地はありません。確定申告は申告者が得をするための制度ではなく、納税額を実態に合わせて適正にするための制度です。そのため、適正化されるプロセスにおいて得をする(納税した税金の一部が戻ってくる)こともあり、また、損をする(不足している納税額を収める必要が出る)こともあります。

 不動産投資が節税に有効だという話を聞いて不動産投資をしている方も多いと思います。不動産賃貸による収支が会計上マイナスであった場合に、損益通算といって、本業の所得から不動産賃貸によるマイナス分を差し引くことが可能なため、節税効果が生まれます。

 不動産賃貸が、キャッシュフローとしてはプラス収支になっていても、会計上は所有不動産の価値の低減を支出として計算する経費(減価償却費)が認められており、これによって会計上の収支がマイナスと出来るケースもあります(ワンルーム投資など)。

◆不動産賃貸収入の確定申告の計算方法は?

 確定申告の際の申告事項、計算方法はそこまで難しいものではありません。収入と支出を計算し、収入が支出を上回っていた場合、上回っていた金額が不動産賃貸所得となります。

 また、個人の不動産賃貸収入の計算は、毎年、1月1日~12月31日までを1サイクルとして計算して申告をします。

 ・不動産賃貸で「収入」扱いとなるもの
  賃料
  礼金
  更新料
  ※返還予定の敷金は収入扱いとなりません
  共益費(電気代や水道代,清掃代,インターネット代などを含む)

 ・不動産賃貸で「支出」扱いとなるもの
  マンション等の場合、マンション全体の管理費
  マンション等の場合、マンション全体の修繕積立金
  ※修繕積立金については、国税庁の解釈も参照下さい。
  管理会社を入れていた場合の、管理会社に支払う管理費用
  管理会社に支払った仲介手数料,業務委託費,広告費等
  インターネット代や清掃費など負担をしていた場合はその費用
  固定資産税(その他の租税公課も含む)
  損害保険料
  減価償却費
  借入金の利息(建物代に対してかかるもの)
  賃貸している物件への交通費・宿泊費
  販売会社,管理会社,清掃会社等との打合せ費用

◆確定申告にあたって準備が必要なエビデンス

 大部分の金額については、銀行口座に記録が残っていたり、管理会社等からの明細書があると思いますので、資料を準備さえすれば問題なく確定申告を進めることが出来ると思います。

 エビデンスがなく、手元で計算をしたりなど、ひと手間かける必要があるのは、支出側にある「減価償却費」「借入金の利息」「交通費・宿泊費・打合せ費用」などが代表的なものです。

不動産賃貸収入の確定申告のキホンを説明します

それぞれ、計算方法について説明致します。

①「減価償却費」の算出方法
 賃貸収入を得ている物件の取得金額を、土地分と建物分に分けます。
 この際、固定資産税評価額などを按分の根拠にするのが一般的です。
   ↓
 上記のうち、建物の価格について、構造に応じた係数を乗じます。
 RC構造では、0.022など、決まった係数が存在します。この0.022ですが、RC建築物の耐用年数の47年と掛け算をすると、1.034とほぼ1となります。
   ↓
 上記計算結果が、減価償却費となります。

 具体的な減価償却費の算出を2例紹介致します。


 ・2400万円で購入した区分ワンルームマンション(RC構造)
  固定資産税評価額は、土地が1200万円,建物が600万円(土地2:建物1)

  購入金額の2400万円を2:1で按分し、
  土地は1600万円,建物は800万円とする。
  土地価格は劣化しないため、減価償却費は無し。 
  建物価格に0.022(RC構造)を乗じた金額が減価償却費となる。
  ⇒ 800万円 × 0.022 = 減価償却費 17.6万円

 ・8000万円で購入した中古アパート(木造)
  固定資産税評価額は、土地が3000万円,建物が1000万円(土地3:建物1)

  購入金額の8000万円を3:1で按分し、
  土地は4000万円,建物は1000万円とする。
  土地価格は劣化しないため、減価償却費は無し。
  建物価格に0.046(木造)を乗じた金額が減価償却費となる。
  ⇒ 1000万円 × 0.046 = 減価償却費 46.0万円

 RC構造は0.022、重量鉄骨は0.030、木造は0.046を乗じます。
 ※実際には、居住用以外で異なったり、もっと複雑ですので実際の申告にあたってはよく調べた上で構造別の掛け率(定額法と呼ばれます)を調べてみて下さい。


 ②「借入金の利息」の算出方法
   支出と出来るのは、返済金額が元金充当分と利息支払分がある中で、利息分のみ。また、土地分・建物分がある中で、建物分、とされています。 元金充当分と利息支払分については、返済予定表などを見れば割合が分かります。土地分と建物分については、購入時の土地と建物の金額の割合や、固定資産税評価額の土地の建物の評価額の割合を使います。そこまで大きな差にならないかもしれませんが、私の場合は顧問の税理士さんと相談の上、有利なほうの条件で申告をしています。

 ③「交通費・宿泊費・打合せ費用」
  こちらは計算などのひと手間はかかりませんが、これらの費用が賃貸業のために必要な経費であったことを証明するためのエビデンスが必要です。交通費や宿泊費の場合には、訪問の目的(下見などでも構いません)、また、打合せ費用については、誰と何のための打合せをしたのか、などの情報が必要になりますので、経費を使う場合はこれらの情報を記録しておく癖をつけられると良いと思います。

具体的な確定申告の方法については、私はe-taxでやっておりますので、次回は具体的な不動産賃貸収入の確定申告方法について説明致します。紙で申告する場合の詳細のやり方が
三井住友トラスト不動産さんの「不動産にかかわる確定申告」の中に詳しく記載されていましたので、是非ご覧ください。

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不動産投資本の書評、はじめます

最近、座って通勤ができるようになっていたのと、AmazonのKindle Unlimitedの2か月間、月額199円キャンペーンが目に入ったこともあり、Kindle Unlimitedに契約してみました。

不動産投資に関する本を全て読んでみようと、KINDLEストアにて「不動産投資」というキーワードを入れ、”Kindle Unlimited”のフィルタをかけて検索をしてみました。

Kindle Unlimited で読める不動産投資本 ※クリックで拡大

すると、私が過去購入したことのある本や、お会いしたことのある方含めて、大量の不動産投資本がKindle Unlimitedで読めることが分かりました。検索の1ページ目に出ていただけでも以下の書籍が出てきておりました。

・ゼロから始める不動産投資 (角川学芸出版単行本) / 市川 周治
・【実録不動産投資】普通の会社員だった私が、家賃収入4000万円のアパートオーナーになって脱サラするまで /木村拓也
・不動産投資専門税理士が明かす 金持ち大家さんが買う物件 買わない物件 / 稲垣浩之
・不動産投資専門税理士が、数字の比較でわかりやすく解説!「もう失敗しない!間違いだらけの不動産投資キャッシュフロー戦略」 / 不動産投資専門税理士 叶 温
・確実に稼げる 不動産投資 副業入門 / 黒木 正男
・不動産投資家が語る中古戸建て再生術!100万円クラスのおんぼろ物件をリフォームして家賃収入を得よう! / NOSO
・28歳年収390万の僕が不動産投資を始めた理由: 毎年4月に国から〇十万円が振り込まれる / 戸木派金成
・図解 プライベートカンパニーを活用して、不動産投資をしよう! / 成田 仁
・不動産投資でゼロから7年間で1億円貯めた私の方法 / 星 輝
・年収450万円でも東京に収益不動産がモテる!: 臆病で貧乏な私でも変われた。この投資思考であなたの人生も変わる!! / 市原ともひろ
・ゼロからの不動産投資 / 赤井 誠
・不動産投資の裏側(ブラックボックス)を見抜き、堅実に稼ぐ方法 / 仲宗根 和徳
・不動産投資の入門ってホント? ワンルームマンション投資の真実 / 井上貴之
・これって経費で落とせるの?~不動産投資の節税術~ / 不動産節税アカデミー
・不動産投資は出口戦略が9割 / 寺岡 孝
・レバレッジ不動産投資-自由になるための最速メソッド- / 本間けい
・知らないとは損!バカでも分かる不動産攻略書 / はるみつ
・これを知らずに個人が不動産投資をしてはいけない!: 既存大家さんの成功体験を鵜呑みにせず正攻法で稼ぐ方法 / 賀藤 浩徳
・不動産屋の8割は詐欺師である / 滝島一統
・初心者を代表して「不動産投資」について教わってきました! / 金川顕教
・不動産投資 家賃収入&売却益 両取りのルール / 束田 光陽
・不動産の正解 確実にうまくいく物件選びの黄金ルール【読者限定2大特典付き】 / 加藤 真澄
・たった40分でわかる!初心者のための不動産マンション投資: 最短・最速で1億円! / 家入貴文

2か月かけて毎週3~4冊を読んでいきます。そして、大変僭越なことに書評をこちらのブログで紹介致します。

書評の際の目線は以下の通りです。

①基本情報 出版日,価格,ページ数等
②著者の立場
③書評
④評価(5段階) 専門性
 正確性
 再現性
 中立性
 ズバリ!おすすめ度

著者の多くは知り合いだったり先輩だったり後輩だったり、セミナーを聞いたことがあったりと、私が採点などと大変おこがましいことなのですが、Kindleでの再会ということで、本音で書評を書かせてください。

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コラム:不動産投資ローン早見表(2)注意すべき借入条件とは?

前回は、金利と返済年数に応じたローン返済額一覧の早見表をご覧頂けたかと思います。今回は、金利と返済年数に応じた早見表であることは同じなのですが、「総返済額」と「毎月の返済金額のうち、元金充当金額と利息支払金額の内訳」が入った早見表を用意致しました。元金充当金額と利息支払金額の内訳については、初月の返済金額の内訳を記載しています。

少し見るのが怖い感じの早見表ではありますが、とても重要なシートですので、目をそらさずに見て頂ければと存じます。

下表、借入1000万円の場合における、返済金額の早見表です。
1000万円返済早見表 高金利長期返済は・・・ ※クリックで拡大
いかがでしょうか。上記の表中で、ピンク色の網掛けをしている部分は、(初月の)返済金額の内訳において、利息支払分が元金充当分よりも多くなっているケースです。金利2.5%で30年以上のローンを組んだ場合や、金利3.0%で25年以上のローンを組んだ場合には、初回返済金額のうち元金に充当されるのは半分以下である。ということです。

金利3.0%で35年のローンを組んだ場合には、初月の3.8万円の返済のうち、1.3万円しか元本が減りません。これでは、元本の減少よりも物件の価値減少の方が早くなる可能性すらあります。

上記の条件はさておき、返済金額のうちの元本充当割合には要注意です。私は積極的にローンを活用して多少の悪条件でも借り入れを進めるタイプの不動産投資家ですが、上記表中のピンク色の網掛けのような条件での借り入れはありません。

毎月のキャッシュフローを優先しようとすると、とにかく、返済期間を長く設定したくなりがちですが、毎月の返済金額の内訳が健全かどうかは注意しながら返済期間などを決めていけると良いと思います。
※本記事は、2020年2月時点での記事です。 本ブログでは、環境変化に対応するため全記事を定期的に更新しています。

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コラム:不動産投資ローン早見表(1)金利と返済年数

不動産投資ローンの早見表を作成しましたので、ご活用下さい。第1回目は金利と返済金額を並べた比較表です。住宅ローンでも、他のローンでも適用できます。

借入金額を1000万円として、金利と借入年数毎の返済金額を並べてみました。
ローン返済額早見表 ※クリックで拡大
この早見表を見ると、毎月の返済金額は、
返済年数が短いと、金利が0.3%→2.8%になると、1.07倍程度になり、
返済年数が長いと、金利が0.3%→2.8%になると、1.65倍程度になります。

不動産投資においては、返済期間が長ければ長いほど、金利の差が効いてきますので借入金利にはこだわりを持ちたいところです。

そして、次回は、上記の早見表だけでは見えてこない深度でもうひとつ早見表を作成してみます。軸は同じく金利と返済年数です。しかし、そこに総返済額の金額と、返済金額のうち元金充当分と利息支払分の金額を入れて、注意すべき借入条件とはどのような条件なのか、説明致します。ちょっと、恐い早見表になります。


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2020年2月23日日曜日

コラム:不動産投資 vs 生命保険

不動産投資に関して調べたり、営業マンと会話などをしていると、「不動産投資が、生命保険がわりになる」という話が耳に入ることと思います。今回は、不動産投資がなぜ生命保険代わりになるのか、どのような条件で生命保険代わりになり得るのか、一般的に言われる生命保険との違いなどを説明致します。

「不動産投資」だけではなく、「自己居住用の不動産購入」にも、生命保険の代用の効果がありますので、本コラムでは不動産投資ではなく、不動産購入という言葉を使います。

◆不動産購入が生命保険がわりになる理由は「団体信用生命保険」
 団体信用生命保険(団信と略されます)というものは、不動産購入時にローンを組んだ際に、金融機関側が保険料を負担して加入して貰う事が出来る生命保険のことです。金融機関側が保険料を負担するという点が団体信用生命保険のポイントです。
※一部の金融機関では団信加入が無かったり、金融機関が負担しませんのでご注意下さい。

団体信用生命保険は金融機関と保険会社が契約をします

 金融機関としては、借り入れをした本人に万が一のこと(死亡や高度障害)があった場合には、本人やその家族からの回収ではなく、生命保険をかけておくことでその保険金を受け取ることで、ローンの支払いが完了、となります。ローンの残債と保険金は常に一致するように設定されています。追加で返済が必要になったり、余ったりすることはありません。

 保険金は、保険会社から金融機関に直接支払われるため本人が保険金を現金として受け取ることはありません。

※閑話休題です。念のためですが、「保険」は保険会社から受け取ることが出来るお金。「保険」は保険会社に支払うお金(=掛け金)です。

◆不動産購入が生命保険がわりになる条件
 ここまで読むと、 もう分かってしまったかも知れませんが、一応まとめます。
 ・不動産購入に際して、金融機関等のローンを組んで不動産購入をすること
 ・金融機関から借り入れをした際に、団体信用生命保険に加入していること
 ・ローンの残債が残っていること(残債金額=生命保険効果のある金額です)
  ※生命保険と捉えても良い一定金額の残債があること

◆一般的な生命保険との違い
 一般的な生命保険の算出にあたっては、代表的なネット生保であり、保険料も高くないライフネット生命さんの保険料を参考にいたしました。35歳の男性を前提に試算しています。ご覧の通りですが、ローン残債が大きければ大きいほど生命保険効果も大きくなります。

団体信用生命保険 一般的な生命保険(定期保険)
保険料 0円
(保険料は金融機関が負担)
5,600円/月
(保険金2000万円,30年定期)
保険金 ローンの残債と同金額 2000万円
保険金の受取 ローンの残債が消滅
※現金で受け取ることは無い
保険会社より現金で受け取る

◆不動産投資の生命保険効果を考える際に注意すべきこと
 不動産投資・不動産購入時にローンを借り入れて団体信用生命保険に入ることが生命保険効果があることは間違いありません。しかし、生命保険効果はあくまでも、副次的な効果として捉えるべきだと考えます。生命保険効果があることを理由に不動産投資に踏み切る人は多くないと思いますが、要注意です。
 通常の生命保険と異なり、死亡時などにも現金を受け取ることは出来ませんので、死亡時に一時的に必要となってしまう出費(葬儀代や、お墓代なども)への対応は出来ません。そのため、残債が多くても一時的な出費に対応するための定期保険には加入しておいても良いかも知れません。

また、最近はこの団体信用生命保険もバリエーションが増えており、特にがんに関わる部分などはどんどん充実してきています。別の機会に紹介させて下さい。

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REINS 【土地】売買履歴提供サービス、ご活用ください

先日リリース致しました「REINS 売買履歴・賃貸履歴提供サービス」に次いで、【土地】売買履歴提供サービスをスタート致します。

特に新築で、アパートやマンション、一戸建てを買う場合などにご活用下さい。不動産投資においては入り口が極めて重要であり、最初に高く買ってしまうとその後取り返すには時間がかかるため、高く買わないようにご注意下さい。

※無論、販売会社や売り主の利害にならない取引は成立しませんし、相場を見すぎて投資判断が鈍るのも本意ではありませんので、あくまでも参考までに理解をしておけると良いと思います。

調べたい対象の物件の過去の取引履歴が存在していれば、その取引のマイソクを送付するサービスです。300円(税抜き)で提供をしておりますので、お気軽にご活用下さい。しかし、出来れば対象不動産そのものの過去の売買履歴や、周辺の売買履歴は販売会社などから貰えますので、それが出来ればその方がよいと思います。

◆REINS 【土地】売買履歴提供サービスの概要
 検討中の土地の資料(マイソクなど)をお送り頂きます。資料がない場合には出来るだけ詳細の住所(土地売買においては土地の住所が明確ではないケースもあるかと思います)や、小数点も含めた土地の面積をお教え下さい。

 検討中の土地と同一の土地、また、条件の近い物件を抽出して過去の売買履歴情報を提供致します。

◆提供情報に応じた3つのプラン

 対象の土地の売買履歴が1件以上存在していた場合
 ・プランA
  ⇒ 土地売買履歴を過去のマイソクを送付する形で提供(税抜300円)
 ・プランB
  ⇒ 対象の土地+対象の土地ではない条件の近い土地の情報を提供(税抜1,000円)

 対象の土地の売買履歴が存在していない場合
 ・プランC
  ⇒ 対象の土地ではない条件の近い土地の情報を提供(税抜1,000円)

◆提供情報サンプル
 ・対象土地のマイソク
  売り出し価格と、実際の成約価格が書いてあるマイソクを送付します。
  ※欄外に、手書きや文字記入で成約価格が書かれていることが多いです。売り出し価格と成約価格が同じ場合もあります。


・条件の近い土地の売買履歴
  場所,面積,土地権利,成約日付,前面道路などの条件が近い土地の情報を5件以上、取得して情報提供を行います。


◆REINS 【土地】売買履歴提供サービス お申し込みはこちらから
 ※お申し込み段階では費用は発生しません。

 お申し込みはこちらからお願い致します。
 → お申し込み ←

https://docs.google.com/forms/d/19HA6dPb1vtRAXFb2J5_vCCJEYcITuHAdteeX09l0hMY/edit

出来るだけ後悔をしない判断をしていただければと思っています。是非、ご活用下さい。新築アパート,新築マンション購入検討時の方に特におすすめのサービスです。


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2020年2月22日土曜日

コラム:不動産投資家は、マイホームを買ってもいい?注意すべきポイントは?

とても頻繁に相談を受ける質問です。不動産投資家、とくに拡大志向の不動産投資家にとって、マイホームを買うことは良いのか、悪いのか。また、買っても良いとした場合に注意すべきポイントについて説明致します。

不動産投資家はマイホームを買ってもいい?
◆不動産投資家はマイホームを買っても良いのか
 頻繁に質問を受けると同時に、不動産投資家仲間の間でも話題に上がることがあるテーマです。不動産投資経験が豊富な人同士でも意見が分かれます。

 私の意見ですが、
 ・投資目線で買う/買えるならばマイホームを買っても問題はない。
 ・投資目線で買わない/買えないならばマイホームを買ってはいけない。
 です。

 具体的に投資目線を持ち込むと、以下のマイホームは買いにくくなります。
 ・買った金額よりも、大幅に価格が下がるものは買ってはいけない。
 ・相場よりも高い金額で購入(高掴み)をしてはいけない。
 ・賃貸に出した場合、ローン返済や固都税や経費を含めて逆ザヤになるものは買ってはいけない。
 ・(今後)融資を受けて買い増す場合には、金融機関からの評価が低いものは買えない。
 ということを指します。

 上記のポイントから、自ずと見えてきている結論があるかと思います。マイホームは生活の拠点たるべき位置(勤務地や学校などに近い,親族に近いなど)に購入をすることになると思います。そのため、生活の拠点となる場所が過疎化が進んでいるエリアであった場合などは、投資目線で買うことは難しく、マイホームを買うことは出来ません。
 もし、老後まで生活する場所として、今の生活拠点から離れないと決まっている場合には、大きすぎる物件や新しすぎる物件などを控えれば失敗は避けられる可能性が高いです。但し、そのような物件は賃貸でも安く借りられるため、賃貸も検討をしてみて下さい。

 逆に都心やベッドタウンの駅近などで、売るも良し、貸すも良し、の物件であれば、購入することには問題が無いように考えます。

 たまに「マイホームを持っていると金融機関がマイナスで評価するために、不動産投資で融資を受ける際に足かせになる」という記事を拝見することがあります。一部金融機関では事実です。「1億円まで融資枠が確保できそうですが、マイホームの借り入れ金額を減額した分が、今回融資出来る金額です」という融資承諾が出ることもあります。しかし、多くの金融機関においては不動産投資用ローンについてはマイホームの残債を分けて考える事が多いため、悪影響は限定的です。

 マイホームを買うことは、月額の居住負担も軽く、残債も減り続けるというメリットがありますので、このメリットを最大限に活かし、早々に「市場価格>残債」の状態を作り、預貯金をためることも作戦の一つとして考えても良いかも知れません。また上述のルールを守った物件を買えていれば、どうしても不動産投資の大きな足かせになる場合には売却をしても良いものと考えます。

◆不動産投資家がマイホームを買う時の注意点
 投資目線で買う/買える場合には、マイホームを買う事を検討しても問題ないと考えます。その時に持つべき投資目線と、購入時に注意すべき点をまとめました。

 ・買った金額よりも、大幅に価格が下がるものは買ってはいけない。
  ⇒買った金額よりも下がる物件でも問題はありません。物件価格が下がるスピードが、残債が減るスピードよりも遅ければ大丈夫です。具体的には、郊外や地方の新築は大幅に価格が下がる可能性が高いケースが多いです。また、自分だけのこだわりを入れすぎると価格の下落が大きくなる場合があります。
 ・相場よりも高い金額で購入(高掴み)をしてはいけない。

  ⇒ここはどのような物件を買う場合でも出てくる話です。周辺相場や過去の売買履歴などを把握の上、判断をして下さい。

 ・賃貸に出した場合、ローン返済や固都税や経費を含めて逆ザヤになるものは買ってはいけない。
  ⇒前提として住宅ローンで購入した物件を貸し出すことは出来ません。あくまでも、購入の判断基準という意味で記載をしています。賃貸に出した場合の想定賃料を把握し、また、諸費用についても計算した上で利益が出るような物件であれば、購入しても良いと思います。 その場合、ローン返済は不動産投資用ローンに切り替えて1.6-2.0%程度になる前提での試算が出来ると良いと思います。

 ・(今後)融資を受けて買い増す場合には、金融機関からの評価が低いものは買えない。
 ⇒上記の3つの条件を満たすためには都心の一戸建てかマンションがマイホームとして購入可能な物件となるかと思います。となると、この条件は満たしにくいかと思います。しかし、都心の物件においては金融機関も積算を厳しく追及してこないことが最近では増えてきており、この部分は出来るだけ気をつける。というスタンスで良いかと思います。

※本記事は、2020年2月時点での記事です。 本ブログでは、環境変化に対応するため全記事を定期的に更新しています。

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2020年2月21日金曜日

ニュース:コロナウィルスによる不動産投資への影響

コロナウイルスの影響により、交通産業・飲食業・宿泊業・観光産業、そして製造業・広告業などさまざまな産業が深刻なダメージを受け始めています。

流通ニュースによると、店舗の売上の影響があった/ありそうな店舗が全体の71%に達しているという調査結果も出ています。

流通ニュース『新型コロナウイルス感染者が発生後、店舗の売上に影響があったか』より

流通ニュース『外国人客と日本人客は減少したのか』より

そんな中、不動産投資業にコロナウイルスが与えている影響について(影響が無い部分もふくめて)いくつか耳にしたものがありましたので、紹介させて下さい。

・不動産の中でも、住宅用賃貸業への影響は、ほとんど耳にしません
 多少、外出を控えることによる内見の減少があったり、リフォームが追いつかなかったりなどの話を耳にしましたが、決定的なダメージを受けたという話は耳にしていません。やはり、衣食住のビジネスは安定した稼ぎの王道だと改めて思います。衣食住の中でも、「衣」は景気の良しあしに左右されたり、「食」も外食や特定食材がダメージを受けたりすることもありますが、住宅用賃貸業の安定感は相当強く感じます。もちろん、災害時には「住」のダメージも大きいのでリスク分散は不可欠だと思いますが。

・テレワークが加速化?
 コロナウイルスの直接的な影響ではありませんが、テレワークの浸透のきっかけや、加速化に影響が多少出ると思われます。テレワークの浸透が不動産投資に与える影響は小さくありません。
テレワークが浸透すると、土地の価値基準が多少変わってくる(半端なベッドタウンが弱くなる)、間取りの考え方が変わる、サードプレイス的な場所の考え方が変わる、などいくつか既に予想出来ている点はあります。テレワークが不動産投資に与える影響は別記事でまとめます。
 ・影響が大きいのは、宿泊施設(外国人メイン)、宿泊施設(日本人メイン)
 これらの投資については、壊滅的なダメージを受けている話を今週だけで3人から聞いています。特に中国人向け民泊を台東区で運営しているオーナーは2月については赤字になってしまっていると聞いています。不動産投資とは違うのですが、外国人向けレンタカーサービスなどもダメージが大きいようです。

本記事は狭い視野で書いていますが、地球単位では不慮の事態は毎年のように必ず起きることは分かっているわけで、不動産投資業も一定の規模になったタイミングでは、手法や、利用者や、物件の所在地/所在国など、リスク分散を考えていかなければならないと改めて痛感しました。

※本記事は、2020年2月時点での記事です。 本ブログでは、環境変化に対応するため全記事を定期的に更新しています。

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2020年2月20日木曜日

手法解説 新築一棟投資(4)建売一棟購入のポイント

前回は、新築一棟投資には、大きく分けて2つの買い方(建て方)があるとお伝え致しました。

①土地と建物をそれぞれ別の会社から購入するケース
 (ここでは便宜的に企画一棟と呼びます)

②土地と建物をそれぞれ同じ会社から購入するケース
 (ここでは便宜的に建売一棟と呼びます)

一概には言えませんが、一般的には前者の企画一棟の方が、手間がかかり、賃貸経営開始までのタイムラグも長いものの、その分、利回りは高くなる傾向にあります。その差は、一都三県の木造で0.7~1.4%ほど、一都三県の鉄骨でも0.5~1.1%程度あり、小さくない差が生まれます。
また、土地と建物を同じ会社から購入するため、責任の所在が明確である点などは、建売一棟のメリットと言えます。

今回は土地と建物を同じ会社から購入する「建売一棟」パターンについてあてはまる購入のポイントを説明致します。建売一棟・企画一棟に共通する購入のポイントについては、企画一棟のページをご覧下さい。

紹介を受けるタイミングで建築中のケースもあります
・立地の見極め
 この点は企画一棟と同様ですので説明を割愛します。
 企画一棟のページの「立地の見極め」箇所をご覧ください。

・高掴みしないようにすること①
 企画一棟の最大の注意箇所がここです。土地と建物を同じ会社から買うケースでは、土地を安価で仕入れて土地に対してそれなりの利益を販売会社が取得しますので、高くなってしまうケースが多いです。そのため、土地の過去の販売成約履歴などを見た上で過度な利益が乗っていないかどうか、確認をすることが重要です。土地の価格と建築価格を分けて計算をしてみた上で、適正な価格かどうかを徹底的に見極める必要があります。土地の値段に10-15%くらいの販売会社の利益が乗るのは、販売会社が取得時にかかる費用や、建売一棟は仲介手数料などがかからないケースが多い点からも、全く問題ありませんが、20-30%ほど土地に利益が乗せられているような計算であれば、控えた方が良いかも知れません。
※土地の過去の成約価格などはREINSにも履歴が載っているケースがあります、お調べしますのでお気軽にお問合せ下さい。無償で調べます。

 建売一棟の場合は、やや高めの販売価格になっていることもあり、販売会社が至れり尽くせりのサービスをしてくれます。建築期間中の金利を負担してくれたり、竣工後の満室保証をつけてくれたり、さまざまな保証をつけてくれたりします。

・高掴みしないようにすること②
 設定されている賃料が本当にその通りになるかどうか、REINSや各賃貸サイトなどで自分でも調べておくことが不可欠です。

・土地と建物の価格の割合を調整してもらいましょう
 ここは、税金絡みのテクニックでもありますが、節税効果も出していくためには建物の価格を出来るだけ高く設定して貰うようにしましょう。 売り主が法人だと建物価格を高くしたがらない傾向がありますが、ここは売買契約書に消費税金額を書かない(≒固定資産税評価額で按分できる)などの様々なテクニックで売り主も買い主も損をしない形をとれます。

※本記事は、2020年2月時点での記事です。 本ブログでは、環境変化に対応するため全記事を定期的に更新しています。

2020年2月19日水曜日

手法解説 新築一棟投資(3)企画一棟購入のポイント

新築一棟投資は中古一棟同様に、購入時のポイントがたくさんあり、同時にそれぞれの重要度も高いです。まず、新築一棟投資には、大きく分けて2つの買い方があります。

①土地と建物をそれぞれ別の会社から購入するケース
 (ここでは便宜的に企画一棟と呼びます)

②土地と建物をそれぞれ同じ会社から購入するケース
 (ここでは便宜的に建売一棟と呼びます)

※後者のケースにおいては、土地を先に買って建物を作るパターンと、既に完成している一棟物件を買うパターンがあります。

一概には言えませんが、一般的には前者の企画一棟の方が、手間がかかり、賃貸経営開始までのタイムラグも長いものの、その分、利回りは高くなる傾向にあります。その差は、一都三県の木造で0.7~1.4%ほど、一都三県の鉄骨でも0.5~1.1%程度あり、小さくない差が生まれます。
また、土地と建物を同じ会社から購入するため、責任の所在が明確である点などは、建売一棟のメリットと言えます。

本記事では、企画一棟、の購入(建築)のポイントを説明致します。
土地から企画する一棟物件は高い利回りを狙えます


【土地購入のポイント】
・立地の見極め
 新築一棟投資については、ワンルーム・区分マンションの投資と異なり、最寄り駅が知らない駅であったり、足を踏み入れたことのない都道府県の物件の案内が来ることも少なくありません。
 ある程度の収益を確保するためには、購入する物件のエリアを「名前や印象」ではなく、「実力」で見極める必要があります。立地の実力には、人口動態、最寄り駅の乗降客数、近隣の人が集まる工場や学校や病院などの施設の有無の見極め。また、今の現状だけではなく、将来に渡っての需要を見極める必要があります。

 特に新築一棟投資に言えることですが、一都三県エリアでも新しい駅が出来たタイミングなどは、同エリア・同タイミングで似たような新築アパート・マンションが作られることがあります。間取りや築年数などの条件が重なる物件が多いと賃料相場が下落する場合もありますので、要注意です。※もちろん、アパートラッシュに耐えうる賃貸需要のあるエリアもあります。 

・高掴みしないようにすること
 ワンルーム物件などと異なり、同一建物内の別部屋などの売買履歴がありません。そのため、近隣の売買事例や賃貸事例の中でも条件が近い物件の相場の把握と、伴い、高掴みをしないように注意することが不可欠です。
 周辺事例と比べて、接道、土地の形、土地の間口の広さ、土地の用途地域、騒音などを含む周辺環境、坂などの地理的な条件などを比較しながら、検討物件の相場観を見極めて下さい。
 この「高掴みをしない」という点については、建売一棟よりも、企画一棟の方が個別に把握が出来る分、有利かもしれません。 

・ハザードマップほか、自然災害の可能性の把握
 この点は、ハザードマップなどを見ておければ十分かと思われます。また、火災保険に入る際に、起こり得るリスクはつぶしておけると良いでしょう。

【建設会社選びのポイント

・賃貸向けの建築になれているかどうか
 過去の事例などを含めて聞いた方が良いと思います。しかし、賃貸向け住宅は個人向けの一軒家よりもこだわりが少ない分、作りやすいものではありますので、ある程度の規模の建築会社であれば、問題は無いと思います。

・(必要に応じて)金融機関とのコネクションなどが強い会社かどうか
 融資については建築会社に頼るのが必ずしも正しいわけではありませんが、頼れるものは頼った方が良いでしょう。特に一定の規模の建築会社であれば、ツーカーの仲の金融機関などを持っていたりします。

【建物建築のポイント】 

・土地の可能性を最大限に引き出しているかどうか
 建蔽率・容積率・斜線制限や高さ制限などのあらゆる制限の限界いっぱいまで建物を土地に入れているかを確認しましょう。ここはセカンドオピニオンサービスを使うことも検討してみて下さい。

・想定レントロールの精査
 レントロールを貰って、それで安心をしていてはいけません。建築会社によって、かなり強気なレントロールを作る会社と、その逆の会社が存在しますのでご自身で不動産賃貸サイトを調べたり、REINSを調べたりしながら、見極めることが重要です。

次回は、建売一棟購入のポイントをまとめます。

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2020年2月18日火曜日

用語集「収益還元評価(しゅうえきかんげんひょうか)」

不動産の価値を評価する手法のひとつです。
「収益還元評価」はその名の通り、対象の物件がどの程度の収益を生むことができるのか、を基にその数字から逆算して価値を求める。という考え方です。

不動産の価値評価手法には「積算評価」と「収益還元評価」が主にありますが、新築の物件などでは主にこちらの考え方を適用させることが多いようです。新築物件は積算評価ではどうしても評価が高くなりにくい事情もあります。

具体的な計算方法ですが、とてもシンプルです。物件が、年間120万円の収益を生むことが出来るとして、条件が近い物件の利回りが仮に6%だとすると、

 年間収益120万円 ÷類似物件利回り 6% = 2,000万円(収益還元評価額)

という計算方法で物件の評価をします。上記の計算に出てきた、それぞれの数字について、解説致します。

・年間収益 120万円
 この部分は、年間の賃料収入です。毎月10万円の賃料だとすると120万円をあてはめます。金融機関によっては、この120万円に対して稼働率70%などのストレスをかけて数字を算出するケースもあります。

・類似物件利回り 6%
 収益還元評価を行う上で、もっとも重要かつ、策定がやや難しい数字です。この数字は収益還元評価を行う対象となる物件と近しい条件の物件の利回り事例の平均から求められるケースが多いです。多くはREINSや各金融機関の持っているデータベースから、算出されます。その際に参照される条件は、「立地(最寄り駅・最寄駅からの距離など)」「築年数」「構造」などです。

・収益還元評価額 2,000万円
 ここは計算で割り出されますので解説不要ですね。

収益還元評価は、おもに新築のワンルームや新築の一棟において使われるケースが多くなっています。(逆に新築の物件で積算評価額を算出すると融資が全く伸びません)

収益還元評価額算出の計算式 とてもシンプルです
場所や築年数や構造次第で、一概には言えないものの、積算評価額よりも収益還元評価額の方が、実勢価格に近いことが多いようです。

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2020年2月17日月曜日

手法解説 新築一棟投資(2)メリット・デメリット

前回の新築一棟投資手法概要に続いて、新築一棟投資のメリットとデメリットを解説いたします。

◆メリット
・長期目線の安定した収益の確保
 中古一棟に比べると収益力では劣るものの、中長期(10-15年)は安定的に収益を上げることが可能です。加えて、施工時の保証内容にもよりますが、ある程度のリスクは気にする必要がない(保証範囲内)場合もあるため、収益が安定的であるだけではなく、予測が立てやすい(不測の事態は多くない)という特徴があります。

また、中古一棟と同様ですが、戸数が複数あるため、入居率は安定するため、収益の安定性が増します。※一棟物件でも、同一法人一括貸しなどは一斉同時退去の可能性もゼロではありません。

・メンテナンスコスト/時間がかからない(専門知識も不要)
 中古一棟物件ではどうしても、コストや時間を取られるメンテナンスですが、新築一棟物件ではこの部分のリスクはほぼヘッジされていると考えて良いと思います。上述致しましたが、施工会社や販売会社から、保証内容は聞いておいた方が良いでしょう。私も数棟所有していますが、かなりの箇所の手直しを施工会社が無償対応してくれています。

・コントロールできる範囲の大きさ
 中古一棟投資と同様です。修繕のタイミングや、管理会社等のパートナーの見直し含めて、コントロールできる範囲の大きさはメリットです。施工時に内装や外観についても、コントロールが出来るという点では、中古よりも新築一棟の方がコントロールできる範囲は大きいかもしれません。

言い換えるとコントロール「しなければならない」範囲が大きいということでもあり、万人にとってのメリットではないのかも知れません。

・2020年4月までは、消費税還付が大きい
 このメリットは、残念なことに弱まってしまうことが確定しております。消費税還付については別途紹介致します。
新築は施工会社とも連絡が取り合えるためメンテナンスは手間いらずです
◆デメリット
・都心部での取り組みは難しい
 新築・中古ワンルーム投資などは、都心三区(港区,千代田区,中央区)などの物件も普通に存在しますが、新築一棟投資においては東京の中心地などで取り組みをすることは難しいです。土地が高すぎて利回りが出にくいため、です。

・初期費用は数百万~のケースが多い
 一部の融資アレンジに強い会社とのお付き合いであれば、初期費用が数十万円で済むことはあり得ます。しかしながら、ほとんどのケースにおいては1億円の物件を買う場合は、最低でも2~300万円程度、金融機関の融資姿勢次第では2~3割である2000~3000万円が最初に必要になるケースがあります。

・賃貸スタート初期段階の空室期間に耐えうる資金力は必要
 中古一棟と比べると、やはり新しい物件であることもあり稼働率は高くなることが多いように思います(値付けを間違わなければ)。しかし、賃貸をスタートさせた初期段階においては、空室期間に耐えうる資金力は必要となってきます。この点についても、施工会社や販売会社が初期の満室保証を付けているケースなども多いので、購入時に詳しく確認をしましょう。もちろん、満室保証があることはあちらもセールスポイントですので、間違いなく伝えてくると思います。初期の満室保証に「免責期間」があるかどうか、「何か月保証されるか」などの確認は欠かせません。

・金融機関からの評価(積算評価)が中古一棟ほど高くない
 中古一棟においては、販売価格が積算価格とほぼ等しい物件なども一部では存在していますが、新築一棟ではそのようなことは極めて起こりにくくなっています。もっとも大きな理由は、実際の建築費の坪単価と積算評価で算出する際の建築費の坪単価に大きな乖離があるため、です。実際の建築は木造でも60-100万円/坪ほどとして、積算評価算出時の坪単価は50万円/坪程度と、場合によっては半分程度に評価されてしまうためです。※収益還元評価では問題ありません。

新築一棟は稼働率も高く維持できます
新築一棟投資については、購入時のポイントがたくさんありますので、本記事とは分けて次回、解説致します。

※本記事は、2020年2月時点での記事です。 本ブログでは、環境変化に対応するため全記事を定期的に更新しています。

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2020年2月16日日曜日

手法解説 新築一棟投資(1)概要と収益モデル

新築一棟投資は、収益性については中古一棟投資に譲りますが、中古一棟投資のいくつかのリスクを無くせる手法でもあります。修繕等に時間やコストがほぼかからず、また、10-15年間収益をあげた後に中古として市場に出すことでキャッシュを確保することも可能です。

他の手法で得られる年金代わり、生命保険代わり、節税の効果も、やり方次第では得られ、新築一棟投資は中古一棟投資と並ぶ不動産投資手法の王道のひとつです。

◆新築一棟投資 手法概要
 投資規模 :7000万円~3億円
 投資エリア:日本全国 一定の賃貸需要のあるエリア
 期待利回り:6%~7%
 建物構造 :木造・鉄骨・RC等
 経費率  :10-15%
新築一棟木造アパート 2016年築当時撮影 ※クリックで拡大
◆新築一棟投資(木造) 標準モデルケース

 【条件設定】
  価格:1億2000万円 月額賃料:68万円
  利回り:6.8% 融資:1億2000万円/35年1.7%
  稼働率:95% 月額ランニングコスト10万円
  購入時諸費用600万円(5%程度)は購入時に現金で支払い。

 【モデルケースシミュレーション】
  年間収入:775万円
  (月額68万円 x 12か月 x 稼働率95%)
  年間支出:576万円
  (月額経費10万円 x 12か月 + 月額返済38万円 x 12か月)
  年間収益:プラス199万円

◆新築一棟投資に向いている人

 今すぐ不動産賃料収入・利益を確保したいと考えている方
 金融機関からある程度まとまったお金を借りることが出来る属性の方
 大きな借り入れに大きな抵抗がない方
 都心5区限定など、立地に関しての過度な制限を持たずに購入できる方
 修繕やメンテナンスに時間やコストを極力かけたくない方

新築木造アパートの洗練された室内 ※クリックで拡大

次回は、新築一棟投資のメリットとデメリット、購入時の注意ポイントを解説いたします。

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2020年2月15日土曜日

用語集「マイソク(まいそく)」

マイソクとは、物件の売買および賃貸借時に、対象の物件についての標準的な情報をまとめた1ページ構成のドキュメントのことです。一般的にはA4横などで印刷されて出てきます。

各社共通の業界標準フォーマットは存在していませんが、どの会社のマイソクも価格,立地,外観や室内,間取り図に加えて土地の権利や管理会社などの情報が記載されています。

購入や賃貸を検討した際におそらくご覧になったことがあるかも知れませんが、下図のイメージです。(ダミーで中古区分マンションのマイソクを作成してみました。)
クリックで拡大致します。

マイソクのサンプルです クリックで拡大

ワンルームなどの区分、一棟であっても、新築物件はマイソクが作成されないケースも多いため、主に中古物件購入時に見ることになると思います。

購入物件ごとの、マイソクの見方を今後まとめて参ります。今しばらくお待ち下さいませ。

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2020年2月13日木曜日

手法解説 中古一棟投資(4)構造による違いの把握

中古一棟投資を行う上で、「構造」は非常に重要な要素です。

SRC⇒RC⇒重量鉄骨⇒木造・軽量鉄骨

と、左から順番に
・耐久性が高い
・会計上の耐用年数も長い(≒積算評価が出る&減価償却期間が長い)
・建築コストが高い(≒積算評価が出る)
・取り壊しコストが高い
という特徴を持っています。

1991年築のRC物件 28年目の2019年に撮影
 構造の違いが不動産投資に及ぼす影響を開設致します。市場に多いRC造と木造を比較して説明致します。重量鉄骨はポジションとしては、中間よりもRCに近いものと認識を頂いて良いかと思います。

・耐久性の違い
 耐久性の違いは、賃料下落のスピードと、修繕周期に影響を及ぼします。経験上、木造物件の方が賃料下落スピードが速く、RC物件の方が賃料下落スピードがいくぶんか遅い印象を受けます。修繕周期は顕著な違いがあり、木造物件は、10-15年目には大規模修繕を行うのが望ましいのですが、対してRC物件は、 15-25年目などに大規模修繕を行う形でも良いことが多いようです。
 将来の売却を考えるならば、RC物件は築15年まで、木造は築10年以内のものが市場に出回っていたら、チェックしてみても良いかと思います。逆に将来は建て替える前提であれば、建て替えまでに得られる収益を計算ながら、購入の判断が出来るかと思われます。

・耐用年数の違い
 RC造であれば、築15年などの物件はそこまで築古という捉え方をせずに購入することが可能です。実際に15年目のRC物件を見て頂くと、手入れをきちんとしていれば、20年後も十分に使えそう、という印象を持つことが出来るかと思います。また、築15年のRC物件は32年の耐用年数が残っていますので、それなりに長い期間の融資を受けることが可能です。
 対して、木造で築15年となると、外見は綺麗でも幾分か心もとない印象を受けることがあるかと思います。また、耐用年数が残り7年しか残っておらず、多くの金融機関でそこまで長い融資を受けることは難しくなってきます。

・建築コスト・取り壊しコスト
 この点はそこまで意識が必要なものではないかもしれませんが、建て替えを意識するタイミングになると、取り壊しコストは意識できると良いと思います。概ね、RC造のほうが木造に比べて、1.5倍~2.5倍程度のコストをイメージしておく必要があるかと思います。

1991年築物件のロビー 2019年撮影ですがとても綺麗です

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手法解説 中古一棟投資(3)購入時のポイント

中古一棟投資については、購入時のポイントがたくさんあり、同時にそれぞれの重要度が高くなっています。本記事では購入時のポイントのみを解説致します。

◆購入時のポイント

中古一棟投資は、他の全手法と比べ、購入時に最も多くのポイントがあり、また、それぞれのポイントの重要性が高くなっています。その点では、中級者向けとも言えます。しかし、初めての物件購入が中古一棟という方は少なく無く、それなりに成功している人が多くおられますので、きちんと要点さえ押さえれば失敗する可能性を極力低減できるかと思います。

・立地が大事
 中古でも新築でもワンルーム投資などであれば、紹介される物件のどれもが好立地であることが多いと思います。しかしながら、中古一棟投資においては最寄り駅が知らない駅であったり、足を踏み入れたことのない都道府県の物件の案内が来ることも少なくありません。
 ある程度の収益を確保するためには、購入する物件のエリアを「名前や印象」ではなく、「実力」で見極める必要があります。立地の実力には、人口動態、最寄り駅の乗降客数、近隣の人が集まる工場や学校や病院などの施設の有無の見極め。また、今の現状だけではなく、将来に渡っての需要を見極める必要があります。
 立地次第では駐車場設置率も要チェックです。間取り次第では、1部屋1台分の駐車場では不足する可能性もあります。

・高掴みしないようにすることも大事です
 ワンルーム物件などと異なり、同一建物内の別部屋などの売買履歴がありません。そのため、近隣の売買事例や賃貸事例の中でも条件が近い物件の相場の把握と、伴い、高掴みをしないように注意することが不可欠です。
 周辺事例と比べて、接道、土地の形、土地の間口の広さ、土地の用途地域、騒音などを含む周辺環境、坂などの地理的な条件などを比較しながら、検討物件の相場観を見極めて下さい。中古一棟物件は、三為業者などが利益を大きく載せているケースもあり、高掴みと分かっててもとにかく買いたいならばそれでも構わないのですが、その代償は小さくありません。

・修繕履歴の把握
 前所有者の修繕履歴の把握は必須です。履歴情報としては、修繕時期、修繕内容、修繕業者名称、かかった費用、当時の修繕作業の補償範囲、が含まれていれば十分です。これらの履歴を見ることで、次にどの部分の修繕が必要なのか、見極めることができます。特にエレベーターのある物件についてはエレベーターリニューアルをいつ行っているかなど、把握をするようにしてください。

・レントロールの把握
 レントロールを貰って、それで安心をしていてはいけません。以下の情報も必ずヒアリングをするようにしてください。現在および過去の入居率・平均入居期間・客付時の条件。特に、客付時の条件は非常に重要です。条件には、敷金の有無、礼金の有無、仲介手数料の配分や、AD[仲介業者への加算報酬]の有無や、それぞれ、あった場合の規模感の把握が必要です。入居率を高めることは上述の条件設定を仲介会社が受け入れる形にすれば案外簡単に決まります。そのため、貰ったレントロールは、どのような条件で成立しているか、を把握することは極めて重要です。地方の木造一棟物件などであれば、AD3か月などが管理会社との基本の取り決めとなっていることなどもありますので、要注意です。
※AD3か月が悪いのではありません、それを知らずに買って後から後悔することが良くないと思います。AD3か月でも収支が回るのであれば、それは適正なADだと言えます。

・ハザードマップほか、自然災害の可能性の把握
 この点は、ハザードマップなどを見ておければ十分かと思われます。また、火災保険に入る際に、起こり得るリスクはつぶしておけると良いでしょう。

中古一棟投資については、購入時のポイントが多く、また、それぞれのポイントの重要性も高くなっています。あら捜しばかりをしていてブレーキをかけて買えなくなるのももったいないのですが、後で後悔するものを買っても行けません。幸か不幸か、最後に決めるのはご自身になると思いますが、相場からの乖離などは専門家に聞くことが望ましいです。大きな買い物ですので、業者⇔ご自身、だけで対峙しないことも、重要です。紹介物件を他の業者の人に見せたり、中立の立場の人に相談することもご検討下さい。


中古一棟投資はポイントを外さなければ、大きな収益の確保に
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手法解説 中古一棟投資(2)メリット・デメリット

前回の中古一棟投資の手法概要に続いて、中古一棟投資のメリットとデメリットを解説いたします。

◆メリット

・高い収益性
 都内などの立地でも利回り8%を超える物件が存在します。また、区分(ワンルームなど)の物件と異なり、規模が大きいため、1億の物件で利回り8%が確保できれば800万円の収入が確保できます。

・収益の安定性が増す
 不動産投資に入退去はつきものですが、1部屋所有するよりは、10部屋所有していた方が入居率は安定するため、収益の安定性が増します。※一棟物件でも、同一法人一括貸しなどは一斉同時退去の可能性もゼロではありません。
・金融機関からの評価も高い
 今後も買い増しを考えている方にとっては重要なメリットの一つです。金融機関は積算評価、収益還元評価など様々な評価方法をしますが、中古一棟物件は積算評価が比較的高く、所有をしていることによって金融機関からマイナスに評価されることがない(少なくとも他の手法に比べると)という大きなメリットがあります。

・コントロールできる範囲の大きさ
 修繕のタイミングや、管理会社等のパートナーの見直し含めて、コントロールできる範囲の大きさはメリットです。言い換えればコントロール「しなければならない」範囲が大きくなっていますので、この点は万人にとってのメリットではないかも知れません。

◆デメリット

・都心部での取り組みは難しい
 新築・中古ワンルーム投資などは、都心三区(港区,千代田区,中央区)などの物件も普通に存在しますが、中古一棟投資においては東京の中心地などで取り組みをすることは難しいです。土地が高すぎて利回りがほとんど出ないため、です。

・初期費用は数百万~のケースが多い
 一部の融資アレンジに強い会社とのお付き合いであれば、初期費用が数十万円で済むことはあり得ます。しかしながら、ほとんどのケースにおいては1億円の物件を買う場合は、最低でも2~300万円程度、金融機関の融資姿勢次第では2~3割である2000~3000万円が最初に必要になるケースがあります。

・空室時の持ち出しに耐えうる資金力は必要
 そこまで心配は要らないものの、万が一、同時に複数の部屋で退去があった場合など、一時的には必ず持ち出しが発生します。1億円を30年1.7%で借りると、約36万円が毎月の返済になりますが、最悪のケースを想定してこの金額の持ち出しに耐えうる月収や貯蓄がない場合には取り組むべきではない手法と言えます。

・修繕等は全て自己責任
 メリットの「コントロールできる範囲が大きい」の逆に解釈です。修繕を行う会社をアサインしたり、管理会社を選択したり、修繕に備えて一定の貯蓄を準備することなど、全て自己責任です。これらの手間を

・予期せぬ修繕が来る可能性がある
 中古一棟物件の場合は、購入後、どこに問題が発生するかは分かりません。そのため、運が悪いと、物件購入直後に数百万円の修繕費用がかかることもあり得ます。中古一棟物件を購入する場合にはこのあたりは念頭においておくべきでしょう。また、外的要因があれば保険の活用が可能です。

大規模修繕の様子 足場を組むだけで大きな費用がかかります
中古一棟投資については、購入時のポイントがたくさんありますので、本記事とは分けて次回、解説致します。

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2020年2月11日火曜日

手法解説 中古一棟投資(1)概要と収益モデル

中古一棟投資は、今回取り上げている投資手法の中でもっとも収益性に優れ、また、他の手法でも得られる年金代わりや保険の代わりにもなり、節税などの目的を果たすことも出来る手法です。

将来を見据えて賃貸付けに困らない立地であること、老朽化が激しいなど修繕に不安(突然のキャッシュアウトが起こりえます)がない、などの条件が揃っていれば是非取り組むべき手法と言えます。

また、構造(木造・鉄骨・RC等)も様々ですので、それぞれの特徴も合わせて説明していきます。

◆中古一棟投資 手法概要
 投資規模 :2000万円~2億円
 投資エリア:日本全国 一定の賃貸需要のあるエリア
 期待利回り:7%~15%
 建物構造 :木造・鉄骨・RC・SRC等
 築年数  :5-40年
 経費率  :8-25%

1985年築のRC構造の一棟不動産 2019年撮影 ※クリックで拡大

◆中古一棟投資(RC造) 標準モデルケース

 【条件設定】
  価格:1億1000万円 月額賃料:105万円
  利回り:11.4% 融資:1億1000万円/22年1.7%
  稼働率:80% 月額ランニングコスト21万円
  購入時諸費用700万円(6%程度)は購入時に現金で支払い。

 【モデルケースシミュレーション】
  年間収入:1008万円
  (月額105万円 x 12か月 x 稼働率80%)
  年間支出:852万円
  (月額経費21万円 x 12か月 + 月額返済50万円 x 12か月)
  年間収益:プラス156万円

◆中古一棟投資に向いている人

 今すぐ不動産賃料収入・利益を確保したいと考えている方
 金融機関からある程度まとまったお金を借りることが出来る属性の方
 大きな借り入れに大きな抵抗がない方
 都心5区限定など、立地に関しての過度な制限を持たずに購入できる方

次回は、中古一棟投資のメリットとデメリットを解説いたします。

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2020年2月10日月曜日

REINS 売買履歴・賃貸履歴提供サービス、ご活用ください

具体的な物件を検討するにあたって、
①検討物件が割高ではないかどうか
②検討物件の賃貸価格が適正かどうか
は、不可欠なチェック項目です。

SUUMOやHOME'Sなどで同一、もしくは近い条件の物件を参照することは可能ですが、実際の成約金額については、売買・賃貸借ともに正確に把握することは難しいのが実情です。

不動産投資に取り組むにあたって、失敗をして欲しくないという思いから、REINS情報の提供サービスを提供致します。1メニューのシンプルなサービスとなっていますが、都度、調べ方などでお問い合わせ下さい。また、1回あたり1500円(税抜)という安価でのサービス提供と致しましたのでお気軽にご利用下さい。

1,500円とはいえ有償ではありますので、お付き合いをしている業者がいる場合は、その方から同様の事例を貰う(既に貰っている)方が望ましいのは言うまでもありません。また、ホームズなども物件名で検索すると多少はぼんやりとしますが、過去の取引事例を見ることも可能となっています。

◆REINS 売買履歴・賃貸履歴提供サービスの概要
 検討中の物件の資料(マイソク)をお送り頂きます。検討中の物件と同一物件、同一建物の別物件、条件の近い物件を抽出して過去の売買成約履歴と賃貸履歴を回答します。回答には、具体的な物件名称や取引/賃貸金額、成約時期などの情報を含みます。

 【物件情報提供件数の目安】
 同一物件・同一建物の物件・条件が近い物件の合計で、10件以上の売買履歴
 同一物件・同一建物の物件・条件が近い物件の合計で、20件以上の売買履歴
 ※近い条件ですが、
  区分(ワンルーム)マンションの場合、築年±10年,専有面積±10㎡。半径500m程度。
  一棟物件の場合、築年±10年,延床面積±50㎡。半径1km程度。
  としております。

 お支払い前のタイミングで、抽出可能な件数を回答しますので抽出件数が上記数字に満たない場合にはキャンセルをお勧めしています。(キャンセル料等は一切御座いません)

◆REINS 売買履歴・賃貸履歴提供サービスの使い方
 ①検討中の物件のマイソクや、各資料を送付お願い致します。
 ②当方にて頂いた物件情報に対する参考情報の件数をお教えいたします。
 ③参考情報件数が参考に足る場合にはお支払いをお願い致します。
  ※こちらからのメールにてお支払い方法(銀行振込かカード決済)をお伝え致します。
 ④当方より、参考情報をメールで送付致します。
   エクセルファイル1つと、当該物件がREINSに載っていたらその物件のマイソクを送付致します。

◆REINS 売買履歴・賃貸履歴提供サービス 提供情報サンプル

サンプル1(カバーシート) ※クリックで拡大

サンプル2(売買成約事例) ※クリックで拡大
 ◆REINS 売買履歴・賃貸履歴提供サービス

↓ お申し込みはこちらから ↓

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfAaYllW8yy1PiFpPghUaQ1CeIaKhjpgWGHr2tD8TX7g70laQ/viewform 

本サービスのお申し込みを検討している方は、既に購入物件についてのイメージがついている方かとは思いますが、不動産購入は投資目的であれ居住目的であれ、とても大きな買い物ですので、ご自身の描く将来に対して購入しようとしている物件がふさわしいかどうか、以下の記事などもご覧頂き見極めて下さればと思っています。

参考記事
不動産投資の手法とそれぞれの目的
不動産投資ってそもそもなに?

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2020年2月8日土曜日

用語集「REINS(れいんず)」

REINS(れいんず)とは、REAL ESTATE INFORMATION NETWORK SYSTEM(不動産流通標準情報システム)の略称です。同時に本システムを運営している組織の名称でもあります。

指定流通機構は4つあり、それぞれ、東京・中部・近畿・西日本不動産流通機構という名称になっています。

REINSとは、簡単に言うと、不動産の売買や仲介に関する「今」(売り出し中)の情報と、「過去」の取引履歴情報が見れるシステムです。

不動産の取引は、ほとんどが「売買」か「賃貸借」であり、また、現在販売中/募集中の物件情報と、過去の取引履歴情報が見れるという意味では万能なシステムと言えます。

しかしながら、不動産会社の人は見ることが出来ますが、一般の人には解放されておりません。通常は不動産会社の方がREINSから情報を取得し、それを聞くケースが多くなると思われます。

宅建法の定めにより、一定期間内にREINSに売却物件情報を掲載しなければならないとされています。しかし、実際のところ、ワンルームマンションなどはかなりREINSに掲載されている印象ですが、一棟ものの物件などは、あまり掲載されていないことが多いです。

物件を購入(もしくは売却時)しようとする際には、
①検討物件が割高ではないかどうかのチェック
 購入検討予定物件(もしくは類似物件)が、直近の数年でいくらくらいで売買されたかの過去のデータを参照することが出来ます。

②検討物件の賃貸価格が適正かどうかのチェック
 賃貸に出したらいくらで貸すことが出来るのか、同一物件もしくは類似物件の賃料を参照することが出来ます。

③検討物件の売り主の把握
 検討している物件を検索すると、当該物件の売り主を知ることが出来る場合があります。不動産取引は売り主からダイレクトの方が条件が良いケースもあり、売り主の把握は重要な項目の一つです。しかし、紹介してくれた業者がいる物件の場合は、売り主へのコンタクトは商習慣上厳禁です。

このREINSを見ることが出来るか出来ないかで、取引の判断は大きく変わります。やはり現状では日本の不動産取引も、オープンなプラットフォームとは言えない状況だと言えます。

REINSの使い方の流れ(REINS公式HPより)

当ブログでは、REINS情報を入手できない方のためにREINS情報提供サービスを提供しています。出来れば、お付き合いのある業者から同様の情報を取得頂くのが良いと思いますが、必要に応じてお使いいただければと思います。


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物件購入プロセス④:聞かないと教えて貰えない、盲点になりがちな物件情報10項目

前回は、物件情報の中にも、そのまま額面通り受け取っても良い情報とそうではない情報があること、また、額面通り受け取ってはいけない情報についてはどのように精査をすることが出来るのか、を記載しました。 物件購入プロセス③:物件情報の中で疑って見るべき箇所とは? セミナー参加後の販...